本書にてご紹介させていただいた「企業型確定拠出年金(企業型DC)」には導入メリットが沢山あります。
- ①社長の退職金を全額損金で準備できる(第1章)
- ②社員の老後の資産を効率よく形成できる(第1章)
- ③税制優遇がすごい(第1章)
- ④人材が採用しやすくなり、定着率も向上する(第2章、第3章)
- ⑤従業員のモチベーションや生産性が向上する(第2章、第3章)
- ⑥社会的なインパクトを起こす(第2章、第5章)
今回は本書の中から、そのメリットを順番にご紹介させていただきます。(一部原文ママ)
第1回目は
- ①社長の退職金を全額損金で準備できる(第1章)
- ②社員の老後の資産を効率よく形成できる(第1章)
以上2つのメリットをご紹介いたします!
①社長の退職金を全額損金で準備できる(第1章)

企業型DCは、2001年にスタートした私的年金制度です。国民年金、厚生年金、共済年金といった公的年金とは別に、任意で加入することができる企業年金の一種です。社長の退職金を全額損金で積立でき、自身で預け先(運用先)を選べる日本で唯一の制度です。
とはいえ、中小企業の企業型DC導入率はわずか1%。現時点で企業型DCを利用しているのは、ほとんどが大企業です。大企業の場合、経営者が自分の退職金に困ることはあまりないと言えるため、大企業が企業型DCを導入するのは、従業員の福利厚生のためです。
一方、中小企業では経営者の退職金を十分に準備できない場合も少なくないでしょう。そうした企業では、当然、従業員への退職金の支給も困難になります。
経営者の中には、イチから会社を立ち上げた方もいるでしょう。親から事業を引き継いだ方もいると思います。いずれにしろ、我が子のように、会社を大切に育ててきたのではないでしょうか。
そうしてずっと頑張ってきた方が、「老後のお金が足りなかった」と切り詰めて生活するのは悲しいことです。ずっと走り続けてきた分、老後はお金の心配をせず趣味を楽しんだり、旅行に出掛けたり、セカンドキャリアに進んだり、新しいチャレンジをしたりすることにお金を使えるのは当然です。
(本書では経営者の資産形成のシミュレーションとして、退職金を内部留保から出す場合と、企業型DCを利用した場合にてご紹介しています。)
②社員の老後の資産を効率よく形成できる(第1章)

企業型DCは社長や役員に限らず、希望する従業員全てが利用できます。従業員の資産形成について見ていきましょう。
仮に、23歳(大学新卒)から企業型DCに加入して受け取りを65歳とすれば、拠出期間は42年となります。毎月1万円を拠出した場合積立金だけで(12万円 × 42年間 =)504万円になります。
これをS&P500を指標とする投資商品で運用したとします。利回りを8%とすると、42年後には約3800万円に育つ可能性があります。
近年では人手不足や離職率の高さに悩む会社も多いと思います。転職の理由の多くは、将来の不安からです。
「この会社で働いていれば、老後資産の不安はない」
そう感じることで、安心して働き続けてもらうことができる。これも大きなメリットです。
