企業型確定拠出年金の始まり(企業型 DC の歴史と加入状況)
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは会社が退職金の一部または全額を年金払いで支給するための企業年金制度のひとつです。
2001年の確定拠出年金法の改正を受けて始まりました。
現在、確定拠出年金には個人が老後の資産形成として加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と、会社が企業年金制度として採用する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の2つがあります。
企業年金制度の移り変わり
次に、日本における企業年金制度の歴史について解説していきます。
日本における企業年金制度は、下記の2種類に分類されます。
- 確定給付型
- 確定拠出型(企業型DCなど)
「確定給付型」とは?
「確定給付型」の企業年金制度は、会社が積み立てから運用までを計画的に行い、社員は運用について気にする必要は無い制度設計のため1980年代までは主流の制度でしたが、1990年代のバブル崩壊を機に、多くの確定給付型の企業年金は財政が悪化。2001年に企業年金制度が厳格化されたことにより、ピーク時には2000万人いた加入者も現在は半減(2018年時点)しています。
確定拠出型企業年金制度への移行
こういった背景を経て、多くの企業では導入する企業年金制度を「確定給付型」から「確定拠出型」にシフトしていっています。
「確定拠出型」とは?
確定拠出型は資産の運用指図を自ら行う点で確定給付型と異なります。
資産保全体制が強く、企業が倒産しても積立金の全額が保全され、運用状況もオンラインでいつでも確認できるなど、透明性も確保されています。
拠出した掛金は控除の対象となり、税制上のメリットも高いことから、老後の資産形成の手段として大企業だけでなく、近年は中小企業でも広がりを見せています。
退職しても個人型確定拠出年金(iDeCo)に資産を持ち出しが可能となっているため、企業型DCに加入していない企業へ転職した際にも、老後の資産形成を継続して行うことができる点も大きなメリットです。
企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入状況
企業型DC加入者は増え続け、2022年現在、加入者は782万人となっています。
確定給付型企業年金の制度からの移行も含めて、近年では大企業だけでなく中小企業での導入も増加してきているため、月間約3万人ほどのペースで加入者が増加しています。